どうも、らいあんです。
やってしまいました。
Appleのウェブサイトを眺めていたらいつのまにかMacBook Airをカートに入れ発送注文のページにいたんです。
あとは「購入」のボタンを押すだけ。
で、そうやって気がついたら買ってしまっていた経験は一度や二度じゃないんです。
iPhone X、iPad Air、Apple Pencil、MacBook Air、Magic Keyboard、などなど
「どんなもんかな?」とウェブサイトに訪れ、いつのまにか発送注文ページにいるんです。不思議ですね(笑)。
しかもどれもAppleの公式ページに飛んできてから、です。
僕自身がAppleの製品に惚れ込んでいるのももちろんあります。
が、Apple公式ストアの商品ページを読んでいると『欲しくなってくる』んですよね。
そこで今回は、文章でモノを売っている者としていい研究材料になるんじゃないかなと。
そう思いまして、Appleの広告を題材に「売れる文章とは?」について考察してみたいと思います。
海外のウェブサイトや日本のサイトをリサーチして「AppleのCM・広告を読むとなぜ買ってしまうのか?」というテーマでコンテンツをつくってみました。
いわば『Appleの広告を読むと欲しくなってしまう秘密』です。
では、始めます。
Apple広告の魔法にかかってみよう。
まずはApple広告の威力を体感するところから。
『Macで、力を解き放つ』
僕はこれまでDJ、WEBデザイナー、画家、アーティスト、小説家、音楽プロデューサー、ブロガー、映像クリエイター、プロスノーボーダー、バックパッカーなどに会ってきましたがみんなMacBookを使ってます。
世に自分の作成した映像・コンテンツを発信している人と出会ってきましたが、彼らが手にしていたパソコンの9割はMacBook。
他には僕がMacBookで文章コンテンツを作っているのをみて
「…どう?MacBookっていい感じなん?」
と聞いてきてそこからMacBookを触らせていたら、その場でAppleのWEBサイトページを開きMacBook Proの購入ボタンを押したパターンもあります。
何かしら世にコンテンツを発信する人からすれば「MacBook」とはただのパソコンではありません。
自分の世界や可能性を広げてくれるパートナーのようなものです。
先ほどのCMを見たクリエイター達は「コレは僕/私のためのパソコンだ」と感じて購入を検討し始めます。
AppleのCM・広告には「欲しい」と思わせる魔法のような影響力がある。
しかもよくあるCMとの違いは「その場で急に欲しくなる」ということです。
Apple広告の秘密。欲しくなるカラクリ。
個人的に衝撃を受けたデータがあります。引用させていただきます。
以下のデータは、Appleのサイト上の文章を、2万文字以上集め、品詞ごとに分解したデータです。
それぞれ、どのような語彙が含まれているか、品詞ごとに見てみましょう。
名詞「iPhone X、私たち、ビジョン」33.8%
動詞「変わる、持つ、続ける」11.2%
形容詞「新しい、ふさわしい、ない」1.6%
副詞「ずっと、さらに、その」2.3%
感動詞「ようこそ、さあ、さよなら」0.1%
接続詞「そして、だから、しかも」0.3%
…お気づきでしょうか?
「名詞&動詞』だけで全体の45%、約半分の割合を占めています。
ぶっちゃけこれが『欲しくなる広告文章』の秘訣かなと。
文章の中に『名詞』と『動詞』を散りばめる。
すると、「欲しくなる」。
なぜなら名詞と動詞は手にとったかのようなイメージを思い起こさせるからです。
例えばコレ。

©️Apple inc.
「1000曲を、ポケットに」
言わずと知れたiPodの秀逸なコピー。
「1000、曲、ポケット」
名詞しか使われていませんね。すごい。
これにもし「お気に入りの」とか「そのポケットに」とかにするとイマイチな感じがします。
「お気に入りの1000曲を、そのポケットに」
とかだとなんとなく締まりが悪い。
極限まで削られたのがApple広告の特徴です。
「Think Simple」がここでも体現されています。
「1000曲を、ポケットに」
うーん。美しい。
何回読み上げてもスッキリしてパッと分かりやすい表現ですね。

©️Apple inc.
「iPhoneとなら、毎日がシンプルに。」
それは、iPhoneをオンにした瞬間から始まります。
「iPhone、毎日、オンにする、瞬間、始まる』
名詞と動詞が「iPhoneを手にした日常」をイキイキとイメージさせてくれますね。
僕はこのコピーを読んでいて
「朝、ジリリリリという目覚ましの音と共にベッドから起き上がる。枕元に置かれたPhoneを手に取り、サイドボタンをカチッと押す。『今何時だ?』と寝ぼけ眼をこすりながら1日がスタート。」
をイメージしました。
いわば、iPhoneを持つ人の日常が思い浮かんだわけです。
余談ですが「毎日をオンにする」とかでも良さそうですね。
生活が明るいものになる感じの表現に聞こえてきます。
「毎日を明るくする」よりも「毎日をオンにする」とか。
とにかく。
イメージが浮かぶ表現の方がパッと分かります。

©️Apple inc.
「あまりにも進んだディズプレイなので、違いが目に飛び込みます」
「あまりにも」は副詞。
「進む、ディズプレイ、違い、目、飛び込む」は動詞と名詞ですね。
普通だったら「その違いが体感できます」とか「その違いがわかるでしょう」と書いてしまいがちです。
それを『違いが目に飛び込んできます』と体感させるような表現が個性を演出しています。
目に映るではなく、
目に飛び込んでくる。
美しさに感動するではなく、
美しさに心が震える。
ワクワクする、ではなく、
ワクワクが抑えられなくなる。
躍動感のある動詞を取り込むと自然と動きのある文章に変身を遂げますね。
とにかく。
「美しい、すごい、キレイ、カッコいい、ためになる、大事、重要」などといった「ありきたりな形容詞」を切り捨てて、
「動詞と名詞」を使ったイキイキとした表現を散りばめる。
そうすれば、
つまらなくて退屈な文字の羅列がAppleのような美しさと知的さを持ち合わせた文章に生まれ変わります。
(僕も早速、動詞と名詞を念頭に置きながら書き上げてみました。)
あなたの文章にも「名詞」と「動詞」を持ち込んでみましょう。
きっと、読んだ人の心をグッとつかんではなさない、記憶に刻まれるような文章を生み出せるようになるはずですから。
退屈な文章、読みたいと思えない文章には「形容詞」や抽象的で難解な表現が多いですから。